お知らせの音の大混乱

　ある朝、妻が洗濯物を干しに行っている時、「ピピッ…ピピッ…」と音が鳴るのです。妻がいない台所になる電子音は私にとっては非常に謎の音になります。

　炊飯器、食洗器、電子レンジ、電子ケトル、ガスコンロ、空気清浄機、おそらく厳密にはもう少しあると思います。

　…で、一体何が鳴っているのか、と。緊急性のあるものなのか、それともどうでもいいものなのか。とりあえず、ガスコンロからチェックしていきます。

　…さて、結局なんのお知らせだったか分からないまま……ということは、ままあるのです。これに加えて、携帯電話やら果てにはテレビの番組の中からの音、更には隣家の家電製品まで混ざると、もう大混乱です。

　…というわけで、音が鳴った妻の指示待ちになるわけです。

「ガスコンロです。温度が高くなったので消火しました」

と名乗りを上げて頂いてもいいわけですが、それはそれでうるさそうです。

　もう20年以上前になりますが、テレビで「ガスが漏れてます」と警告するガス警報器に「漏れてません！」と話しかけるお婆さんの笑い話を思い出しました。半分笑い話ですが、お知らせ音の元がわからない私も同じようなものです。

　しかし、十種類近くの音を聞き分ける、妻はすごい。

　いや、私がダメなだけかもしれませんが。