お釈迦さま⑲苦行林に向かうまで

　お釈迦さまは、バッカバ仙人、アーラーラー・カーラーマ師、ウッダカ・ラーマ・プッタ師の三人のもとを去り、苦行をする為にウルヴェーラ林、いわゆる苦行林へ向かわれます。

　カピラ城を出てから、シッダールタはある王子と出会ったと言われます。大国マガダ国の未来の王、ビンビサーラです。ビンビサーラは後に深く仏教に帰依し、これを守った重要な人物です。この時にすでにご縁があったと言われています。ビンビサーラは、シッダールタに城へ戻るように勧めたと言われますが、シッダールタはそれを断り、出家の道を進んだとされます。

　また、苦行林に行く際、五人の比丘（僧侶）がシッダールタに付き従います。アジュニャ・カウンディンヤをはじめとする、五比丘です。彼らはみな、カピラ城の出身で、シッダールタの父、シュッドーダナの指示により同行したと言われます。一つにはシッダールタの警護。そして、もう一つは自らも修行をするという求道者の一面です。

　思うに、シュッドーダナはシッダールタが心配でたまらなかったのでしょう。その愛情の深さがうかがい知れるエピソードです。