お釈迦さま⑬四門出遊Ⅱ

光明寺

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お釈迦さま⑬四門出遊Ⅱ

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2016/02/03 お釈迦さま⑬四門出遊Ⅱ

 四門出遊の概要は前述の通りですが、少しだけ私見を交えてお話したいと思います。

 

 四門出遊は、お釈迦さまの心の動きを感じることができます。というのも、お釈迦さまは、シュッドーダナ(お釈迦さまの実父)が彼を出家をさせない為にあらゆる贅沢や美しいものを与えました。つまり、お釈迦さまの周りには美しいもの、すなはち、人間にとって都合のいいものしかなかったのです。そこには、老、病、死さえなかったかもしれません。 

 

 話は変わりますが、お釈迦さまがお住まいのカピラ城は一つの城ではなく、町を塀で覆ったいわゆる城下町を含むものだとされます。塀の内側は平穏な世界でも、塀の外は非常に生きることが苦しい世界だったのかもしれません。

 

 話を戻します。門から外に出たお釈迦さまは、老いた男性を見て不思議に思い、兵士に尋ねます。「あの者は何かの罪を犯し、罰を受けているのか?」兵士は答えます。「あれは老いた者です。正しい者も間違っている者も、年をとれば、例外なくこうなります」

 

 質問は他の門でも同じでした。病人、死者。その老病死という苦しみは、当時のお釈迦さまの目には非常に理不尽にうつったようです。老、病、死という絶望にも似た苦を目の当たりにされた後、北の門で見た沙門の姿はお釈迦さまにとって、強い憧れと希望に見えたことでしょう。

 

 これをきっかけにお釈迦さまはご自身が歩むべき道を強く意識されるのです。

 

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