お釈迦さま②お釈迦様は実在したか？

　お釈迦さまのご生涯を書きます、といいながら「実在したか？」というのはあんまりなタイトルでありますが、まずはそこに触れてみたいと思います。

　我々からすれば、「お釈迦さま」が実在したかどうか、というのは愚問ではないか、と思うほどその存在は当たり前です。無論、私も懐疑的に思ったこともありません。ところが、近年は「聖徳太子はいなかった」という説（※）もありますので、当たり前、と考えるのは良くないのかもしれません。

　さて、お釈迦さまが実在したかどうかですが、フランスの学者（ヒンドゥ教が専門だそうです）のエミール・セナール氏という方が「お釈迦さまはインドの太陽信仰にある架空の人物」という、いわゆる「釈迦非実在論」を提唱されており、ヨーロッパの方ではそう考える方も多かったのではないかと思います。

　ところが、1868年に考古学者のフェラー氏がルンビニの遺跡で「アショーカ王（古代インドの王様）がここで祭りを行った。お釈迦さまの生誕の地であるからである」という内容が石柱に彫られているのを発見されたそうです。

　それにより、お釈迦さまは実在したという事が広まったそうです。

　というわけで、お釈迦さまが実在したというのは、仏教の観点だけでなく、考古学的にも明らかであるということです。

※聖徳太子が成したといわれることが、複数人によるもので、個人ではなかったのでは、という説だそうです。