最もすぐれた記録媒体とは?

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最もすぐれた記録媒体とは?

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2015/02/12 最もすぐれた記録媒体とは?

 仏教を学ぶにあたって、最も重要なものの一つが書物であります。親鸞聖人がお書きになったものや、古くの高僧が著されたもの、様々な書物があります。

 

 お釈迦さまの時代は、書くよりも言葉で伝える(暗記する)ことが中心だったと言われており(諸説があります)、文字は残されていません。その後、現在のインドや中国などの高僧、そして日本の先達の僧侶達が、文章を残されているのです。

 

 さて、昔の高僧が書かれたものがそのまま残っているかというと、非常に難しい話かと思います。親鸞聖人がお書きになったものも残ってはおりますが、気軽に触れるようなものではありません。つまり、紙に墨で書いたものは時代の中で、劣化し、気安く学ぶ為には使いにくいことになります。

 

 現在。親鸞聖人の時代から750年あまりが過ぎたわけですが、時代の流れは、ついに紙という媒体から電子書籍のようなものに変化しつつあります。データですから、持ち運ぶ必要性もなく、重さもなければ、コピーも非常に簡単です。

 

 では、保存するという意味合いではどうでしょうか。あるテレビ番組で見たのですが、いわゆるデータという保存形式は非常に脆弱だそうです。なぜなら、人がしっかりと管理しないとすぐに使えなくなるそうです。何百年前の古い書物が蔵の中か出てきた、というように、何百年前の古いデータが出てきた、というのは難しいそうです。

 

 保存という事を考えると、実は我々からですと、最も遠い時代のものが一番優れているそうです。そう、石に刻むという保存方法です。エジプトのピラミッドを例に出すと、3000年以上、残っている上に誰でも見ることが出来ます。(解読できるかどうかはさておき)

 

 現在の最先端の技術、電子の書籍が、ある意味では石碑に劣るというのは、どこか皮肉めいていて面白い気がします。

 

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