ケンカするほど仲がいい？

　随分以前に、「トムとジェリー」というあの有名なアニメをうちの娘二人がよく見ている、というような記事を書いたと思います。あのアニメの日本語の主題歌に「トムとジェリー仲良くケンカしな」や「ネズミだって生き物さ、ネコだって生き物さ」と、何やら、考えされられる言葉が、明るい音楽と共に耳に入ってきます。

　「仲良くケンカしな」というのは、私の中の名言の一つであります。仲良くとケンカという相反するものが一つに収まり、しかも、違和感の無い響きです。思わず、慈しみと悲しみという言葉で構成される「慈悲」という言葉がよぎったほどです。

　さて、ケンカといえば、うちの二人の娘です。今までは上が下に言う事を聞かせていましたが、どうやら、下克上が起きたようで、よくケンカが勃発するようになりました。ところが、ある種の不公平があります。それは、「お姉ちゃんだから我慢しなさい」というヤツです。下の娘にはまだ、説明しても理解できない部分があるので、ついついこうなります。私も上だったので、身に覚えがありますが（笑）いつも、泣くのは上の娘です。手出しが出来ませんからね。それを知ってか知らずか、下の娘は、泣く姉を見てここぞとばかりに、叩いてみたり、蹴ってみたり。やれやれと、思いながら、上をなだめ、下を叱り、落ち着いたところで上を叱り、下をなだめ……。

　ところが、数分もしないうちに今度は仲良く遊んでいます。

「仲良くケンカしな」というフレーズが頭に浮かびました。

　近年はケンカと言っても加減が出来なかったり、憎しみを持って争うような事が多い気がします。「仲良くケンカ」実にいいのではないかと思うこの頃です。