六道③地獄道“等活”

光明寺

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六道③地獄道“等活”

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2014/06/13 六道③地獄道“等活”

 地獄道の最初は“等活(とうかつ)地獄”といいます。
『往生要集』には「初めに等活地獄といふは」で始まります。

 

箇条書きに致しますと

 

1.八大地獄の一つ目の地獄が“等活(とうかつ)地獄”といいます。

 

2.我々の世界の下、7200kmにあります。※1

 

3.“等活地獄”の縦横の長さは72000kmに及びます。
 単純計算で51億8400万平方キロメートルという事でいいのでしょうか。北海道の面積の6万2千倍ぐらいになります。※2

 

4.この地獄の罪人は互いに害心を抱き、鉄の爪で互いに骨になるまで争う。※3

 

5.また、この地獄の罪人は、獄卒によって鉄の杖で殴られたり、刀で切られたりという苦を受ける。※4

 

6.涼風が吹いたり、天からの「等しく活(よみがえ)るべし」との声で、体が元に戻り、再び苦痛を受ける。

 

7.等活地獄の一日一夜は、人間世界の912万5千年に相当し、500年間の寿命がある。つまり、この1兆6653億1250万年の間、この地獄にいることになる。※5

 

8.殺生をしたものが、この地獄に堕ちる。

 

 なんとも恐ろしい話ではないですか。平安時代の『往生要集』には、このように地獄と私達の世界の位置関係や広さ、時間の流れ方など、細かく記されています。当時の方は、地獄をさぞ、身近に感じたことでしょう。
 また、この地獄には16の小地獄があり、次回に記させていただきます。

以下は註です。

 

※1
 『往生要集』に「この閻浮提(えんぶだい)の下、一千由旬(ゆじゅん)にあり。」とあります。
 閻浮提(えんぶだい)は、瞻部洲(せんぶしゅう)とも言われ、我々の住んでいる世界の事です。
 また、由旬とは長さの単位で諸説がありますが、1由旬、7.2kmで計算しております。

 

※2
 『往生要集』に「縦広、一万由旬(ゆじゅん)になり。」とあります。
 縦横の長さなので、一辺が7万2千キロメートルで計算しております。

 

※3
 『往生要集』に「この中の罪人、たがひにつねに害心を懐(いだ)けり。もしたまたまあひ見れば、猟者の鹿に逢へるがごとくして、おのお鉄の爪をもってたがひに掴み裂く。血肉すでに尽きて、ただ残骨のみあり」とあります。地獄は罪人同士でも、疑心暗鬼となり、殺し合いをするのです。

 

※4
『往生要集』に「あるいは獄卒手に鉄の杖・鉄の棒を執りて、頭より足に至るまで。あまねくみな打ち築くに、身体破砕すること、なほ沙揣(しゃせん・意味は、土くれ、砂)のごとし。あるいはきはめて利き刀をもって、分々に肉を割くこと、厨者(料理人のこと)の魚肉を屠るがごとし」とあります。実に恐ろしい表現です。

 

※5
『往生要集』に「人間の五十年をもって四天王天の一日一夜となし、その寿五百歳なり。四天王天の寿を持ってこの地獄の一日一夜となして、その寿五百歳なり」とあります。つまり、我々の50年×365日×500年=等活地獄の一日。912万5千年が等活地獄の一日。寿命はこれの、500年ですから、912万5千年×365日×500年=等活地獄の寿命。つまり、1兆6653億1250万年がこの地獄での刑期といえるでしょう。

 

計算は概算です。また、勘違いや、計算の間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。尚、参考は『浄土真宗聖典注釈版 七祖編』です。

 

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