ゴキブリが出ました

　実に嫌なタイトルですが、朝方、ゴキブリと遭遇しました。ちなみに戦えるのは私一人です。妻は超がつくほど、嫌いですので。（まぁ、好きな方はそうそうおられないと思いますが……）

　結局、息を殺して近づいて、丸めた新聞紙で叩いたわけですが。

　よくよく、いや、よくよく考えるまでもなく、ただの殺生です。

　殺生にも色々な解釈があるそうで、生きるために必要な最小限のもの（主に食事）は、良しとする、とか、こちらが、殺すことを目的にしなければ良い、とか。まだあります、食事として生き物を食べている時点で殺生だとも。

　ちなみに私がゴキブリを殺したのは、最低限生きるためではありません。食べるなどと考えたくもありません。もちろん、ゴキブリを放っておけば私が殺されるわけでもありません。まぁ、強いて理由を挙げれば気持ち悪いから、という一言に尽きるでしょう。

　さて、この私に殺されたゴキブリですが、仮に彼が、大きくなり、小さな私を気持ち悪いから、と殺すのであれば、それは理不尽極まりないこと。私は喚き散らすでしょう。

　慚愧（ざんぎ）という言葉があります。悪いことをしたという反省の気持ちです。私は本来、頭を垂れて、その命に対して謝らなくてはならない。ところが、殺したその瞬間は、「仕留めた！」という喜びであります。

　そこですね。非常に自己中心的に考え、殺生をした後、言い訳まで考えている有様です。それはそうです。地獄に落ちても文句は言えないはずなんです。ところが、仮に地獄に落ちた私は、不当だと叫ぶでしょう。恐らく、そうだと思います。そんな私であるからこそ、手を合わせよ、と仏さまはおっしゃるのでしょうね。