お釈迦さま⑳苦行

　最近は苦行という言葉をわりと一般的に耳にすることが多いのですが、シッダールタの苦行はいかなるものだったのでしょうか。

　このウルヴェーラ林は、別名苦行林と呼ばれ、苦行をする行者が集まっている場所でした。彼らの中で、最もポピュラーなものが、断食です。確固たる理由は分かりませんが、体重が減ることでこの世の悪い業が減ると考えられていました。

　当時のインドの文化は輪廻転生が当たり前の世界で、次の生はより良いものに生まれたい、という欲求が強かったそうです。その為、現生において少しでも悪い業を減らすことが至上目的だったと思われます。苦行林の断食は来世で良い生き方を歩みたいという修行者の思いそのものでした。

　シッダールタもこの断食を行ったと言われます。その苦行でどこまで真理に近づけたのか、それは次回にさせて頂きます。