六波羅蜜②

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六波羅蜜②

昔のブログ

2014/09/21 六波羅蜜②

 六波羅蜜の前に、お彼岸とは、何を指すのかを考えてまいります。

 

 「彼岸」とは、訓読みをすると「かのきし」になります。「かのきし」とは、いわゆる向こう岸という意味です。
目の前に川があるとします。自分が立っている場所が「此岸(しがん)」といい、川の向こうの岸が「彼岸」になるのです。お彼岸の大事な意義の一つが、川を越えて彼岸に渡すにはどうすればいいか、という事を考える事です。

 

 さて、川を越えて向こう岸へ行きましょう、などという話をすると大抵の方が「まだ行きたくはない」といわれる事でしょう。ご安心ください、このお彼岸の行事で指す「彼岸」とは、死後の国という意味ではありません。(※隠語や解釈によっては、そういう意味合いで使う場合もあります)

 

 彼岸とは「おさとり」の世界を指します。いわば、煩悩をなくした、正しい生き方を指すのです。姿は見えていても、そこに渡る事は出来ない。正しい事をするというイメージはあっても実際には行えない。そういった、私たちのジレンマが「かのきし」という形で表現されているのです。さしづめ、私達を邪魔する流れる川の水は、自らの煩悩になるのでしょう。

 

 この煩悩を断ち切る方法こそが、六波羅蜜なのです。

 

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