六波羅蜜③

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六波羅蜜③

昔のブログ

2014/09/23 六波羅蜜③

 六波羅蜜の最初は、「布施」です。

 

 正直、このご時勢、「布施をしなさい」などと言うと、「宗教者にお金を渡すこと」というイメージしかないと思いますが、「布施」というのは「施しをする」という意味です。サンスクリット語で「ダーナ」といい、漢訳は「檀那(だんな)」です。

 

 布施には三種類あり、それぞれ「財施」「法施」「無畏施」になります。

 

 財施とは、衣服や食料、もしくは金銭を施すものを指し、法施とは、仏の教えを説く事を指します。そして、無畏施は、恐れを取り除く施しとされ、例えば、つらい思いをされておられる方に寄り添い、それを取り除くことをいいます。いわば、心の施しといえます。

 

 「布施」で大切な事は、「見返りを求めない」という事です。私たちは日常生活の中で、「○○すれば、△△が返ってくるだろう」と打算しながら事を起こすことが、ままにあるかと思います。打算をすれば、それは施しではありません。ですから、「施しをしてあげた」という考えを持ってはいけないということです。

 

 「施しをしてあげた」という考えは、より大きな見返りを、無意識のうちに望む事になります。つまりは、施しではなく、要求をしているだけになるのです。ですから、そういった意味で「施し」とは非常に難しいものなのです。

 

 最初はある程度、見返りを求めて行うのもいいでしょう。回を重ねるたびに、その気持ちをなくしていくことが大切です。最初、見返りがないと「損をしたなぁ」という気持ちがあるかもしれませんが、損得を真っ先に考える生き方こそが、間違った生き方であるとお考え頂ければ幸いです。

 

 損得勘定は、時に必要なものですが、些細な事まで「損」か「得」と考え続けるのは、非常に寂しい生き方に思えます。

 

 次回は二つ目の波羅蜜「持戒」を予定しております。

 

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