六道⑥地獄“衆合”

光明寺

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六道⑥地獄“衆合”

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2014/06/19 六道⑥地獄“衆合”

 地獄道の三つ目は“衆合(しゅごう)地獄”といいます。
全部で八つですから、げんなりしますが、まだまだありますよ。

 

前回と同じく箇条書きに致しますと

 

1.八大地獄の三つ目の地獄が“衆合(しゅごう)地獄”という。※1

 

2.黒縄地獄の下にある。(距離は不明です)※2

 

3.“衆合地獄”の縦横の長さは等活地獄と同じで、広さも同じである。※3

 

4.この地獄の罪人は、二つの鉄の山の間に入らされ、鉄の山に挟まれて体が粉々になる。

 

5.また、鉄の臼にいれられ、鉄の杵で突かれる者もいる。

 

6.また、川の中に熱い赤銅の汁があり、そこに罪人は漂う事になる。

 

7.罪人たちが寄り添って嘆いても救いはない。

 

8.また、葉が刃のような木の上に美女がおり、求めるまま、木を上ると刃のような葉に全身を切り刻まれる。やっとの思いで、木の上に辿り着けば、美女はおらず、今度は木の根元に立っている。また、美女を追うべく、木から下りると再び、刃のような葉で全身を切り刻まれる。

 

9.衆合地獄の一日一夜は、人間世界の1億4600万年に相当し、2000年間の寿命がある。つまり、106兆5800億年の間、この地獄にいることになる※4

 

8.殺生と盗み、邪な性の交わりをはたらいた者がこの地獄に堕ちる。

 

9.衆合地獄にも小地獄があり、「悪見処(あっけんしょ)」や「多苦悩処(たくのうしょ)」などがある。体だけでなく、精神的にも強烈な苦痛を受けるとされる。

 

 この衆合地獄は、等活、黒縄に加え「邪淫」の者が堕ちるとされます。その所為か、美女の誘惑に全身を刻まれながら進んでいくという、一風変わった描写もあります。また、人の子どもを誘拐して、苦痛を与えたものが堕ちる小地獄や、人の妻を奪うことによって堕ちるものなど、具体的なものもあります。
 そして、お気づきかと思いますが、地獄が下るごとに、刑期が恐ろしく長くなっていきます。この衆合地獄で106兆年ですから。(ただし、計算は飽くまで概算です。間違っているかもしれません。ご了承ください)
 宇宙誕生が137億年前という事ですから、宇宙誕生と共にここに落ちても、10000分の1ぐらいの刑期しか過ぎていないわけです。
 また、「異人(ことひと)悪をなして、異人、苦の報を受くるにあらず。みづからの業をもってみづから果を得。衆生みな、かくのごとし」とあり、改めて地獄は「自らの業」によって堕ちるものであると示されています。

 

 次は第4の地獄、「叫喚地獄」となります。

 

以下は註です。

 

※1
 『往生要集』に「三に衆合地獄といふは」とあります。

 

※2
 『往生要集』に「衆合地獄といふは、黒縄の下にあり」とあります。

 

※3
 『往生要集』に「縦広、前(黒縄地獄)に同じ。」とあります。

 

※4
 『往生要集』に「人間に二百歳をもって夜摩天の一日一夜となして、その寿二千歳なり。夜摩天の寿をもって一日一夜となして、この地獄の寿二千歳なり」とあります。

 

等活地獄同様、計算は概算です。また、勘違いや、計算の間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。尚、参考は『浄土真宗聖典注釈版 七祖編』です。

 

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