六道⑦地獄“叫喚”

光明寺

0798-35-2335

〒662-0943 兵庫県西宮市建石町9-20

六道⑦地獄“叫喚”

昔のブログ

2014/06/22 六道⑦地獄“叫喚”

 地獄道の四つ目は“叫喚(きょうかん)地獄”といいます。
阿鼻叫喚の地獄絵図、などといいますが、その叫喚(きょうかん)です。

 

前回と同じく箇条書きに致しますと

 

1.八大地獄の四つ目の地獄が“叫喚(きょうかん)地獄”という。※1

 

2.衆合地獄の下にある。(距離は不明です)※2

 

3.“叫喚地獄”の縦横の長さは等活地獄と同じで、広さも同じである。※3

 

4.この地獄の獄卒には、頭が金色で、眼が赤く炎を出し、赤い衣を着て、手足は長く大きく、風のように早く走る者がいる。罪人は「慈しみ、あわれむ心もって、助けてくれ」というが、更に獄卒の怒をりかい、これを射るという。

 

5.また、罪人は、熱鉄の上を走らさせられたり、熱した釜で煮られる。また、炎の鉄の部屋に放り込まれたり、口を無理やり開けられ、煮えたぎる銅を呑まされ、五臓を焼く。

 

6.また、罪人が獄卒に対して「我はこれ、悲心の器なり」と嘆けど、獄卒は「悪、不善の業をなして、いま悪業を受く。なんがゆえにぞ、我をいかり恨むるや」と一蹴されるという。

 

7.衆合地獄の一日一夜は、人間世界の5億8400万年に相当し、4000年間の寿命がある。つまり、852兆6400億年の間、この地獄にいることになる※4

 

8.殺生、盗み、邪淫に加え、酒を飲むものがこの地獄に堕ちる。

 

9.叫喚地獄にも小地獄があり、酒に水を混ぜて売った者は「火末虫(かまつちゅう)」という、あらゆる病に苦しみ、体中を虫に食われる地獄に堕ちる。また「雲火霧(うんかむ)」という小地獄は、からかう為に人に酒を飲ませ、恥をかかせたものが、火に焼かれる場所である。

 

 お酒を飲むことを禁じる為の地獄のようです。刑期も冗談めいた長さになってまいりました。次は第5の地獄、「大叫喚地獄」となります。

 

以下は註です。

 

※1
 『往生要集』に「四に叫喚地獄といふは」とあります。

 

※2
 『往生要集』に「叫喚地獄といふは、衆合の下にあり」とあります。

 

※3
 『往生要集』に「縦広、前(衆合地獄)に同じ。」とあります。

 

※4
 『往生要集』に「人間に四百歳をもって兜率天(とそつてん)の一日一夜となして、その寿四千歳なり。兜率天の寿をもって一日一夜となして、この地獄の寿四千歳なり」とあります。

 

等活地獄同様、計算は概算です。また、勘違いや、計算の間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。尚、参考は『浄土真宗聖典注釈版 七祖編』です。

 

TOP