六道⑤地獄“黒縄”

光明寺

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六道⑤地獄“黒縄”

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2014/06/15 六道⑤地獄“黒縄”

 地獄道の二つ目は“黒縄(こくじょう)地獄”といいます。
『往生要集』には「二に黒縄地獄といふは」で始まります。

 

同じく箇条書きに致しますと

 

1.八大地獄の二つ目の地獄が“黒縄(こくじょう)地獄”という。※1

 

2.等活地獄の下にある。(距離は不明です)※2

 

3.“黒縄地獄”の縦横の長さは等活地獄と同じで、広さも同じである。※3

 

4.この地獄の罪人は熱した縄で印をつけ、そこに沿って斧やのこぎりで体を割かれる。

 

5.また、熱した鉄のような網に入れられ焼かれる。熱した釜に落とされることもある。

 

6.等活地獄の十倍の苦しみがあり、等活地獄同様、生き返り、また苦を受ける。

 

7.黒縄地獄の一日一夜は、人間世界の3650万年に相当し、1000年間の寿命がある。つまり、13兆3225億年の間、この地獄にいることになる※4

 

8.殺生と盗みをはたらいた者がこの地獄に堕ちる。

 

9.等活地獄と同じく小地獄があり、「等喚受苦処(とうかんじゅくしょ)」や「畏鷲処(いじゅしょ)」などがある。

 

 この黒縄地獄は、熱した縄(熱鉄の縄)という表現がよく出てきます。黒縄とはどうやら、墨をつけた糸を弾いて、材木などに直線を引き、それに沿って切る為の道具だそうです。この地獄では切られるのは材木ではなく、人間であるというから、恐ろしいです。
 また、黒縄地獄に堕ちる理由が、殺生と盗みでありますが、この盗みというのは、物を取るというだけでなく、人の物を自分のもののように扱ったりすることも含まれるそうです。
 次は、第三の地獄「衆合地獄」になります。

以下は註です。

 

※1
 『往生要集』に「二に黒縄地獄といふは」とあります。

 

※2
 『往生要集』に「黒縄地獄といふは、等活の下にあり」とあります。

 

※3
 『往生要集』に「縦広、前(等活地獄)に同じ。」とあります。

 

※4
 『往生要集』に「人間に一百歳をもって忉利天の一日一夜となして、その寿一千歳なり。忉利天の寿をもって一日一夜となして、この地獄の寿一千歳なり」とあります。

 

等活地獄同様、計算は概算です。また、勘違いや、計算の間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。尚、参考は『浄土真宗聖典注釈版 七祖編』です。

 

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