手を合わす長男

お寺に生まれた長男は人それぞれですが、そこそこのプレッシャーがあると思います。後を継ぐ、ということが周囲から否応なく示されます。

かくいう私も長男でございまして、継ぐことを拒んだことはありませんが、なんとなくそのプレッシャーは感じたことがあります。

とはいえ、プレッシャーを感じるという事はそれだけ気にかけて頂き、お育てを頂いているという事ですので、非常にありがたいことです。

そして、私にも長男がおります。まだ未就園児ではありますが、時折法要に参加させて頂いております。

さて、この長男。普段はワガママで自分勝手なやんちゃ坊主ですが、お寺や神社の前を通ると必ず合掌礼拝をするのです。

特に教えたわけではないのですが、何かを見てそう思ったのか、はたまた、ご門徒様のお育て頂いたのか。

とにかく、手を合わせ深々と頭を下げるのです。お寺、神社、お地蔵様、と我々が礼拝対象に感じているものには大体手を合わせます。

何を見て、何を感じて手を合わせるものとそうでないものを区別しているのか全く分かりませんが、幼いながら何かを感じているようです。

不思議と銅像やマスコットには手を合わせません。何か、ポイントでもあるんでしょうか（笑）

兎にも角にも、長男が合掌してくれるので、とりあえず僧侶として父親としてはひとつ面目躍如といったところでしょうか。

今思えば、後を継ぐプレッシャーよりも跡継ぎを育てるプレッシャーの方が上のような気がします。父親にも改めて合掌。