お釈迦さま㉔降魔成道

　菩提樹の下に座られたシッダールタは瞑想を始められます。その間、煩悩の化身である、マーラが現れ、シッダールタを惑わせたと言われています。

　マーラはまず、美しい三人の娘たちを使い、シッダールタを惑わそうとします。ところがシッダールタはこれに屈することなく、退けます。
　マーラは続いて、配下の軍勢にシッダールタを攻撃させますが、無為に終わります。シッダールタは再びマーラを退けました。
　やがて業を煮やしたマーラは自らシッダールタの前に立ち、直接対決をしますが、シッダールタはこれを下し、成道、さとりをひらかれます。

　おさとりを得られたシッダールタは少しの間、このよろこびに浸りその楽しみを味わったとされます。

　さて、この成道の折に現れた悪魔、マーラについて少し説明させて頂きます。

　マーラ・パーピーヤスは、「死より悪いもの」という意味で、煩悩の化身として描かれます。
天界の他化自在天に住まうとされ、漢訳では天魔波旬、第六天魔王など。蛇のような姿であったり、円盤に乗っている姿とも言われます。

　尚、僧侶がさとりを得るさい、煩悩を象徴するものの一つとして、男根の隠語に使われたそうです。