諸行無常とは申しますが…

光明寺

0798-35-2335

〒662-0943 兵庫県西宮市建石町9-20

諸行無常とは申しますが…

住職の思うところ

2019/01/28 諸行無常とは申しますが…

お釈迦様のお説きになった三法印は諸行無常、諸法無我、涅槃寂静であります。それに一切苦行を加え四法印という考え方もあります。

 

三法印の言葉はどこかでお聞きになったこともあるぐらい有名なものであります。特に諸行無常という言葉は馴染みがあるのではないでしょうか。平家物語の冒頭でも有名です。

今はどうか知りませんが、私が学生の折は古典の授業で平家物語や徒然草の冒頭の暗記のテストがあったのを覚えています。

 

諸行無常は全て一切のものは移り変わり生滅を繰り返すという考え方です。

毎年毎年うるさく鳴いては一週間ほどで死を迎える蝉や、成虫になってわずか数時間で死に至るカゲロウのように私たちがその命の儚さを理解するものもあれば、百年以上生きる像や何千年も鎮座する巨大な樹木など、私たちの感覚が及ばないスケールの時間を持っているものもあります。極小の世界を覗いてみれば、細菌やウィルスは私たちの一瞬という時間をかけて、繁殖し死滅します。

また、砂浜に描いた絵は波と共に消えていき、巨大な鉄筋コンクリートの建造物は数百年とその姿を保ちます。ピラミッドやスフィンクスを考えればこれも人間のスケールの外の時間といえるかもしてません。

さらに考えようによっては、私自身は一瞬一瞬、刹那の内に変わっているという考え方もあります。不思議な話ですが、今日の私と明日の私は別のものであるというのです。

 

この生滅を繰り返す世界を私たちは理解しているかといえば、そうではありません。私たちはこの生滅する諸行無常の世界を変化しない常住のものであると受け取っているのです。

形成と消失、生と死、まさに生滅が身の回りで飽きるほど繰り返されているにもかかわらず、それを理解することは非常に難しいのです。

 

それは私たちが本能として常住を望んでいるからかもしれません。永久に続くものはありませんが、亡き方々の願いや思いが少しでも続くように繋いでいくことも大切なことかもしれません。

 

長文失礼致しました。

 

 

 

光明寺
電話番号 0798-35-2335
住所 〒662-0943 兵庫県西宮市建石町9-20

TOP